2014年3月28日金曜日

神楽坂・芸者新道のフレンチ「夏目亭」


東京・神楽坂「芸者新道」。

「神楽坂通り」と「かくれんぼ横丁」に挟まれた場所である。

かつて、神楽坂に芸者さんが600人も700人もいた頃、

この通りは、お座敷へ出る芸者さんたちが石畳の上をいきかい、

とても華やかな様子であったという。

しかしいつしか時が過ぎ、祭りの後のように、地味な小路になっていた。

そんな芸者新道は、ここ2~3年の間に、少し様変わりして

お店が増え、新しい華やかさが生まれたように思う。

そんな中でとても気になっていたお店、「夏目亭」。

今日は初めて、ランチで訪れた。






















2011年10月に、麹町からこの場所へ移転してきた、という。




















































































































































気取らない雰囲気と、職人の誇りが感じられる料理は、

古きよき文化の香りを遺す神楽坂にふさわしい。















この石畳の街に、ひとつまた楽しみが加わった。

今度は夜、ワインを愉しみに来てみたい。



2014年3月26日水曜日

「松岡美術館」から「八芳園」へ



久々に、白金台の松岡美術館を訪ねることにした。

11時少し前、大江戸線・白金台駅で降り、外苑西通りへと向かう。




































 
松岡美術館は、昭和50年(1975年)に、港区新橋にオープン。
 
その後、平成12年(2000年)に、
 
創立者である松岡清次郎(1894-1989)の自宅跡、
 
白金台の自然教育園のそばに、新美術館が完成し、現在に至る。
 
ゆったりとし展示スペースと大きな開口部から見える庭の景観が、

いつ訪ねても豊かな心地にしてくれる場所である。
 













2階建の建物の中に、

様々な地域の様々なジャンルのコレクションが納められている。

なかでも1階のエジプト・中国・インドや現代の彫刻群は、

その大きさ・数などが圧倒的。

ギリシャ彫刻の影響の色濃いガンダーラ仏も、

こんなに、いちどきに見たのは初めて。

ハンサムな、でも判で押したように同じお顔の仏像が、

ずらりと並んでのお出迎えに、びっくりである。































松岡美術館をあとにする。

隣接する庭園美術館・自然教育園を見たいところだが、

庭園美術館は現在改修中。

今日は八芳園へ行ってみよう。

目黒通りに出て左折し、八芳園を目指して歩く。





















5分ほどで、堂々たるつくりの正門に到着。

本館2階のオープンエアカフェ「スラッシュ・カフェ」では、

庭を眺めながらの席で、ビュッフェ式の料理を楽しむことができた。























14時からスタッフによる日本庭園案内が始まると聞いて、

参加してみた。

庭園内の桜はまだ2~3分咲きというところか。

でも、ほかにも見どころはたくさんありそうな気がする。



八芳園は、江戸時代には大久保彦左衛門の屋敷、

明治時代には渋沢栄一の従兄弟にあたる渋沢喜作氏の邸宅、

大正・昭和の時代には実業家で日立製作所創設者・久原房之助氏の邸宅、

として受け継がれてきた300年の歴史がある。

「八芳園」の名は、八方どこから見ても美しい庭であることから

名付けられたという。




























木戸をくぐって庭園内に入ると、

まず珍しい形の「十三層灯篭」が目に留まる。


















500年以上も前のものもあるという大きな盆栽群も、

ここが個人の邸宅であったことを物語っている。









































芝生の向こうには、壺中庵(久原房之助の旧私邸)が見える。





木々と石組みの美しさが格別。歩いていることが楽しくなる。





 
 
「角亭」と呼ばれる東屋。
 
少し高いところから池を見下ろすような位置にあり、景色に溶け込んでいる。
 
 
 
 
 
 「水亭」と池。

池は、その昔この付近の丘陵地帯に沼があり、

そこから流れていた川の跡を池にしたものだという。





















池の水が澄んでいるのか、泳ぎまわる鯉のかたちがくっきりと見えた。






















神武天皇、明治天皇をはじめ、明治維新の志士たちを

ご祭神とする大護神社。

階段には、とてつもなく大きな一枚の石が使われている。















案内セクションの石井さん、フレッシュなご案内をありがとう。






















庭園内の「夢庵」で、抹茶と和菓子を楽しんでから、

八芳園を離れた。



春まだ早い庭は、渋い色合いをしているが、

その季節にしか味わえない空気というものがある、と思った。

膨らみ始めた蕾や芽吹く前の木々の梢に溜め込まれた

たくさんのエネルギーを、肌で感じることができた。

清々しい気持ちになれた午後の時間だった。




2014年3月24日月曜日

日本橋めぐりの会・第10回[玉のり]ツアーに参加

 
日本橋の多面的な魅力を味わえる、「日本橋めぐりの会」。
その「キモノで参加しよう版」とも言える「[玉のり]ツアー」に参加した。
ツアーは、今回が10回目になるという。

ツアーの先頭に立って案内してくださるのは、
三越日本橋本店・お客さまサービス担当 の近藤紀代子さんと
キモノブランド[玉のり]代表のハシヅメノリコさんである。

「日本橋めぐりの会」は、代表の川崎晴喜さん(57才)が、
本業の証券会社勤務のかたわら立ち上げ、2006年退職後も
さらに意欲的に街歩きのツアーや各種イベントを企画し、
たくさんの人が江戸文化に親しむ場を提供したり、
日本橋で100年以上続いた老舗が「こののちも100年続くこと」を願って
応援活動を続けたりしている。



午前11時、水天宮ロイヤルパークホテルに集合し、いざ出発。

















今日は、男性1名、女性16名、総勢17名。
ホテルの前から人形町通りを横断する。
右手に見える水天宮はただいま建て替え中である。




















水天宮前交差点の角には新しいお店が登場。
フランス菓子専門店「OCCITANIAL(オクシタニアル)」。





















今日は前を通り過ぎるだけだが、お店の構えもパッケージも素敵。
















今日気づいたが、人形町は街路樹が一種類ではなく、
まるで植木屋さんの店先のように、多くの種類の樹木が並んでいる。
白木蓮がきれいだった。桜も間もなく開くだろう。

甘酒横丁交差点で、左折する。

















今日のランチはこちらのお店で。
楽しみにしていた「シェ・アンドレ・ドゥ・サクレクール」、
家庭的なフランス料理のお店である。

以前、一人でふらりと入ってみたことがある。
小さな「パリ散歩」ができた気分だった。




















ランチメニュー中から、それぞれ好きなものを選択。
キッシュ・ロレーヌを選ぶ。


















さあ、改めて出発。
ツアーの先頭をゆくのは、「日本橋めぐりの会」と記したこの提灯。








































次は通りを渡って、向かい側の「玉ひで」の脇道に入り
手ぬぐいの「ちどり屋」へ。





















種類が多くて迷ってしまうが、動物柄が可愛らしい。
お魚好きの方は目ざとく「深海魚」の柄を見つけていた。




















人形町通り沿いの「人形焼きの板倉屋」へ。
人形焼きの実演と解説に夢中になり、
あつあつの焼きたてを試食しているうちに
お店のおもての写真は撮り忘れてしまった。

















「板倉屋」の並びにある「酒悦」へ。

























試食の末、「鯖の燻製」と元祖「福神漬」を購入。















入り口に大観音寺のある通りを進む。
ここは風情があって大好きな小路。






















日本橋小学校前の通りにつきあたり、右へ。
大通りを渡って、日本橋堀留町を通り、日本橋小舟町の「竺仙」へたどり着く。

「日本橋は広い」と思った。







































お店の2階に上げてもらって浴衣地を見せていただく。
江戸の時代からの型紙は数えきれないくらいあり、
毎年その中から1000点の色柄を選んで浴衣地を染めるとのことだった。
酒井抱一の絵から起こした型紙などもあったのかもしれない、というお話だった。

「竺仙」の包装紙の柄、台形のようなかたちは「つめ菖蒲」というそうだ。
いろいろ勉強になる。





















資料もたくさんいただいた。





















昭和通りを渡り、「日本橋」へ。


























川面に春の光が踊り、舟遊びも気持ちよさそう。







 

橋のたもとの沈丁花はまっさかり。よい香りを放っていた。
桜の蕾がふくらんでいるのを確認。





















橋を渡ってすぐ道を右へ曲がったところに、
「ROJI日本橋」という、国分のセレクトショップがあった。

























国分は、1712年に醤油醸造所として開業して以来ずっと、この地で営業を続けている。

 

「日本橋漬」という福神漬を買った。今日2つ目の福神漬。



再び橋を渡って、風にはためくピンクの暖簾をくぐり、
新館入り口から三越本店に入る。

























4階の呉服売り場で展示中の「結城紬」について
担当の小沢さんから丁寧なご説明をいただいた。
世界遺産になっている「結城紬」。
どうしてこんなことができるのだろう、と思うくらい
知れば知るほどすごい伝統の技である。

これからも着物を大切に着ていきたい、という気持ちになった。


7階の「特別食堂・日本橋」へ。
食事のための場所と思いこんでいたが、
喫茶だけでも大丈夫だということを初めて知った。

















ここで、ほっと一息。
やさしい味の「キャビネット・プディング」とコーヒーをいただく。




















行く先々で、様々なサービスやお土産をいただきながら
めぐった日本橋のまち。充実の5時間だった。

企画された方々のお骨折に感謝。
まだまだ奥深い魅力があることがわかったので、
次回は2か月後の5月末の予定だという。また参加してみたい。




さて、自宅に戻ってからのご飯のおかずは、こちろんこれ。
「鯖の燻製」は、解氷してそのままでも食べられるが、
さっとフライパンで両面を焼いた。

















老舗の味・福神漬2種の食べ比べをご報告。
「酒悦」のもの(写真:左)は、御飯のおかずとしてよく合う味付け。
「国分」のもの(写真右)は、酒悦より細かく切ってあり、少し酸味もある。
カレーの付け合せにはこちらに軍配だろうか。
お酒の肴としてもよいかもしれない。



















それぞれに美味しくいただいた。