2013年9月19日木曜日

丸の内から眺める中秋の名月



今日9月19日は旧暦の8月15日。中秋の名月の日である、
しかも今年の名月はしっかりと満月であると
朝からニュースなどで報じられていたので、
夕方になると空を気にしている人が多かった。

そして、友人のMさんと私も。

お供えものは用意してはいなかったけれど、
見逃してはいけないような気がして、
夕方5時頃、まるで月見台のような
丸の内KITTEビル(中央郵便局ビル)の屋上から
まだまだ明るい空に月を探した。

見つけた!
クレーンでつるされているような月。
確かにまんまるお月様だ。




 
その後、丸の内ブリックスクエアに移動し、
心地よい秋風を感じながら、テラス席で食事。








































今年は格別に暑い夏だったから、
9月半ばに、秋らしい大気を感じる日がこようとは
ちょっとうれしい予想はずれだった。
急にやってきた秋らしい気候の中で迎えられた
名月の日。そわそわとした浮き立つ気持ちを
誰もが抱いていたにちがいない。




 
 





中庭からは月を拝むことはできなかったが、
帰りがけに、ビルの間に間に
現れる光り輝く月と対面しながら
歩いた。



















 
 
東京駅正面の行幸通り。
東京駅と月を観賞する人々に混じって
私たちも同じ時を過ごした。
































おとぎの世界に入り込んだような…
そんな幸せな瞬間だった。



 










根岸の里散歩(1)・西蔵院周辺


JR鶯谷駅南口を出て言問通りを渡り、うぐいす通りを進むと、
通りに面して左側に、「西蔵院」というお寺がある。











すっきりとしたモダンな本堂と美しいお庭が
とても印象的なところでるある。
お茶会やイベントで何度か足を運んだことがあるが、
今回は私自身がお抹茶の席をもつことになった。

お茶室を拝見し、ご住職にお話を伺ったあと、
この地域に気持ちがなじむよう、少し歩き回ってみることにした。


上野の寛永寺の裏手にある、この谷地は「根岸の里」と呼ばれている。

上野輪王寺宮公弁法親王が京都から取り寄せた鶯100羽を
放ったとの伝承があることから「鶯の里」とも言われる。

これまで、鶯谷駅を降りて、寛永寺の方向に向かい、
国立博物館へ行くことは何度もあったが、根岸方面の散策は初めてである。


まずは、「うぐいす通り」をきょろきょろしながら歩いてみた。


歩けばすぐ、おせんべい屋さんやかりんとう屋さんがこ見つかるのが、
下町っぽくてこころが浮き立つ。







 
 
植木鉢に囲まれた町家を見つけると、つい立ち止まってしまう。



























そして、最後に茶会で使う和菓子をさがして、
老舗「竹隆庵 岡埜」へ。
「こごめ大福」が、店の一番の売りのようである。









































江戸庶民の間で喜ばれたお菓子に「こごめ餠」があり、
ある時、根岸の里の茶屋がこの餠に餡を入れ、
上野輪王寺宮公弁法親王に献上したところ、
お誉めの言葉をいただき、これを「こごめ大福」と名づけられた、
との説明があった。















































茶席では、せんべいや大福とはいかないけれど、
いろいろ買ってみた。
お店の人と話したかったから、ということもある。
みな、自分の店の品にとても誇りを持っているのがよくわかった。

土産物は、地図と絵葉書と菓子。
ほんの1時間くらいの散策のあとは、まるで小旅行のあとのような
ありさまになった。




2013年9月17日火曜日

JR中野駅南口・レンガ坂で、ワインを愉しむ













JR中野駅南口を出て、右方向へ進み、通りを渡れば、
「中野レンガ坂」への入り口がある。

この近辺に、新しいお店がいろいろ出現している!
との情報を得たので、友人たちを誘って早速、出かけた。
















レンガ坂に入ると、老舗格の「ジョージアムーン」がある。
バーボンの品ぞろえを誇る店。
2、3度行ったことがある。
親しみやすさの中にバーとしての品格もあり、好きなお店だ。

しかし、ここはまだ、レンガ坂のほんの入り口にすぎない。
この奥に、たくさんの店が集まっていることを
今日初めて知った。












































































ちょっと立ち寄ってみたくなる、楽しげな雰囲気の、
お店が並んでいる。

ぐるりと歩き回って、選んで入ったのは
スペインバル「SIONO(シオノ)」。






































レンガ坂入り口に近く、今年5月にオープンしたばかりの新しい店である。
以前この場所は、「シオノ化粧品」(2013年3月に閉店)という薬局だった。
この地で3代50年以上店舗を構えていたシオノ化粧品のように
「地元に、永く愛されたい」という思いで命名したという。










































もう一軒、入ってみたのは、
少し奥まったところにある、「La Vie」というワインバー。










カウンターと4人掛けのテーブルだけの小さな店内だが、
白っぽいインテリアの効果か、窮屈さはなく、居心地がよかった。
ワインにこだわりのあるマスターが丁寧に説明してくれる。
もちろんワインは美味しく、
短時間だったが、充実した時間を過ごせた。

「もう一度ゆっくり来よう」と、その場で全員一致で決めた。

















JR中央線の線路を挟んだ向こう側、
北口の中野区役所裏手にはかつて警察学校があった。
今はその広い土地に企業と大学が誘致され、
北側は大きく変わった。

南側の「レンガ坂」もその影響だろうか。
住宅街に近い中野という土地柄に
学生街の出現で変化が起きている、
と思えた。

外から見て感じた「親しみやすい顔」は、
お店の中に入ってからも感じることができた。

パリのカルチエ・ラタン近い「ムフタール街」。
パリに住む知人に連れて行ってもらったその街で見たのは、
決して観光客向けではない、地元の人たちが楽しむ店。

このまま、老いも若きも、この街に暮らす人が寛げる
そんなお店が集まる、中野レンガ坂であってほしい。

これからの世の中に必要な居酒屋は、
働き蜂が鎧を脱ぎ捨てて楽になるための店ではなく、
そこに暮らす人たちのための空間だと思う。
食事の時間を楽しみ、人と会話することが大好きな…。